1982年に現指揮者髙橋誠也によって創立された東京J.S.合唱団は、バッハの四大宗教曲、
「ミサ曲ロ短調」、「マタイ受難曲」、「ヨハネ受難曲」、「クリスマスオラトリオ」を演奏する団体です。
髙橋誠也の指導は、正確な発音と言葉のアクセントに合わせた音の強弱付け、パート別の強弱付け、
レガートとマルカートの明確な区別による緻密な計算に基づいた曲作りに特長があります。例えば、
フーガは、複数の声部が主題を提示しながら展開されますが、私たちは、主題の声部を強く、その
他の声部は弱くすることで、主題の声部を浮き立たせる演出を徹底しています。
ラテン語やドイツ語には、日本語と違ってアクセントがありますが、アクセントのある音節は、
テヌートで少し長めに歌う指導がなされます。以下は、マタイのNo3のコラールのソプラノパートですが、
最初の歌詞"Herzliebster"のアクセントは、"lieb" にあります。このアクセントの部分にテヌートを掛けるということは、楽譜は4分音符になっていますが、実際の
演奏では lieb 音節は、4分音符より長くなっているのです。
38年間東京芸術大学大学院で教鞭を取った髙橋誠也は、このような音楽理論を分かりやすくアマチュアの団員に解説します。
こうして、2025年5月のマタイ受難曲の演奏会で私たちは、多くの聴衆に大きな感動を伝えることができました。また歌った私たちも演奏後に
感動に浸ることができました。参考までに、以下に演奏会後に聴衆の皆様から
いただいた感想を辛口の評価も含めてご紹介させていただきます。
マタイ演奏会の反響
団員には、指揮者の解釈による詳細なアーティキュレーションが記載された楽譜が配布され、
これに従って練習が進められています。各パートのヴォイストレーナーによる発声指導や、
長年ドイツで活躍された永島陽子顧問によるドイツ語発音の指導も受けることができます。
初心者を集めた指導も随時実施しております。また毎回の練習を収録した動画を団員専用HPにて
限定配信しており、練習欠席者や遠隔地在住の団員も安心して練習についていくことができます。
2025年6月より「ヨハネ受難曲」の団員を募集しています。
初めてバッハの曲を歌う方でも丁寧で楽しい発声の指導を行います。どなたでもどうぞ、
ご一緒にバッハの音楽の感激に浸りましょう。団員一同お待ちしております。
今回のアクセスが演奏会での感激のトリガーにつながりますように!
以下に音取りのサイトを紹介します。初めてヨハネ受難曲を歌われる方は
参考にしてください。
パナムジカCD
パナムジカで売っている音取用CDです。歌手が歌っていますので、ドイツ語発音を含めて練習できます。
5000円+α円で買えます。団員で所有している人も多いです。
Chordperfect
オケの音はコンピューターで出していますが、歌手が各パートを歌っていますので、ドイツ語発
音を含めて練習することができます。パート毎にファイルが分かれていて、そのパートの音だけを強くしているので
パート練習(音取)には最適です。また、5秒戻りや遅くする機能もあります。
全曲演奏楽譜付
ヨハネ受難曲が曲毎に分けて楽譜画像で聞くことができます。ネットで楽譜を見ながら練習することができます。音が取れた方の練習には
最適なサイトです。なお、合唱RIAS kammerchorです。オケは、Akademie fur Alte Musik Berlin、指揮は、Rene Jacobs。
BCJによるヨハネ受難曲第1稿
Youtubeのヨハネ受難曲の動画のほとんどは、未完のスコア(1739/1749稿)で演奏されています。ベーレンライター、ブライトコップ、ペータースの楽譜もこれが
採用されています。練習用に紹介した動画もこの楽譜が使用されています。
ところが、我々の合唱団では、第1稿(1724)のヨハネ受難曲を演奏します。この第1稿で演奏されたヨハネ受難曲のYoutube動画は殆どありません。
しかしながら、1つだけBCJによる2000年の演奏が、第1稿を使って演奏しております。このBCJの演奏は、第1稿の演奏動画として貴重なものです。
第1稿と1739/1749稿の一番の違いは、No3のコラールの終止部分です。第1稿は、moll。1739/1749稿は、Durになっています。また第1曲の和音が微妙に違っております。従いまして
1739/1749稿の題材を使って練習をすると違和感を抱く場合があることをご承知おきください。世の中で第4稿と呼ばれている楽譜もありますが、
これは第1稿とほとんど変わりません。
Carus社の楽譜は、1749年第4稿と、1739/1749稿(未完のスコア)の両方が掲載されています。1749年第4稿(第1稿と合唱部分は同一)がメイン
で、世の中で良く演奏されている1739/1749稿(未完のスコア)は巻末に掲載されています。我々の演奏にはCarus社の楽譜が最も適していると思われます。
なお、ヨハネ受難曲の楽譜の稿による違いについては以下のサイトで詳細に解説されおりますので、ご参照ください。
ヨハネ受難曲の稿と版
ヨハネ受難曲1725Ver2
蛇足ですが、ヨハネ受難曲には1725年第2稿というのがあり、YouTubeでも聞くことができます。なんとこの稿では、
第1曲が、マタイ受難曲の1部の終曲No.29(O Mensch, bewein dein Suende gross.)にそっくり入れ替わっています。Herr, unser herrsher.の
あのメロディーが消え失せております。なお3曲のコラールの終止は、mollになっています。上記の演奏は、Netherlands Bach Society,
Conductor Rene Jacobs です。アルトは、カウンターテナーの Alberto Miguelez Rouco が歌っています。
ヨハネ受難曲前半ドイツ語発音解説
ヨハネ受難曲後半ドイツ語発音解説
ドイツで活躍中の日本人テノール歌手 吉田志門 氏の解説。非常に丁寧な解説です。
各リンクを選択するとヨハネ受難曲歌詞のPDFファイルが表示されます。
当合唱団に加入をご希望の方のために、髙橋先生のご指導の動画を公開しております。
練習風景公開(別タブで開きます)
マタイ受難曲
2019年3月30日収録の演奏は以下のユーチューブサイトでご覧いただけます。
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携帯電話:080-4270-3824(担当:森川安理)
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